【伝説のお母さん】のあらすじと感想：現在の子育て問題を風刺したファンタジー漫画

今回紹介するのは、かねもとさんの【伝説のお母さん】です。

 

その昔、勇者と共に魔王を封印した伝説の魔法使いは、待機児童を抱えるお母さんになっていた！

ファンタジーな世界観ながら、現在の子育て問題を風刺した物語。

将来親になる人、これから保活を始める人、必読です！！

 

 

ネタバレを含みますのでご了承ください。

 

【伝説のお母さん】のあらすじ

復活した魔王を倒すため、保活を始めた伝説の魔法使い。

ところが平和を取り戻した城下町は、多くの女性が働きに出るようになったので、保育所の設備が追いついていない。

 

育児に消極的な夫に子供を預けるわけにもいかず、まず手始めに一泊二日のモンスター退治に子連れで参加するが散々な結果に。

けれどあきらめきれない魔法使いは、夫に家事育児を教え、定時上がりで戦いに参加する。

 

 

【伝説のお母さん】の感想

• ファンタジー漫画なのに夢がない（良い意味で）
• 福利厚生がバッチリな魔王軍
• 欠点は、男性キャラが役立たず

 

ファンタジー漫画なのに夢がない（良い意味で）

これ、ファンタジー漫画ですよね？なんて夢のない・・・

って思っちゃうけど、RPGの世界も現実世界と同じなんだよね。

 

そりゃ、伝説の勇者一行だって、世界が平和になれば次は自分の将来を考えるよ。

今まで世のため人のために働いてきたんだもの。

 

恋人と結婚をし、子供を授かる。

ところがそんなさなか、魔王が復活してしまう。

 

似たような設定で私がパッと思い浮かぶのは「ドラクエ5」だ。

でも、彼女たちは仲間に恵まれていた。

けれどこの世界の魔法使いには味方がいない。

 

保活のために行った役所では2年待ちと言われ、旦那は子育てに参加しない。

そして後輩には「小さい赤ちゃんを預けるなんてかわいそう」と言われてしまう。

 

あれ・・・？これ、ファンタジー漫画ですよね・・・？（2回目）

福利厚生がバッチリな魔王軍

対して魔王軍の方が福利厚生バッチリなのが、ブラックユーモアが効いている。

魔王軍は人間界を支配するため、魔界・人間界共有の保育所を設立。

労働条件を良くして人間界から保育士を奪い、待機児童を自ら魔王軍に引き入れる作戦だ。

 

人間の子供は弱い生き物なのでセキュリティもバッチリ。

魔族と人間の異文化交流。

分裂で増える魔族のおかげで保育士不足解消など（笑）

 

そして、あっさり魔王側に寝返る勇者（笑）

いや、笑い事じゃないね。

 

てか、ホントに魔王のせいで苦しんでる人々は、この世界にいるんだろうか？

ひょっとしたら、国民は国王に洗脳されているのかもしれない。

欠点は男性キャラが役立たず

この漫画の欠点を上げるとすれば、「男性キャラ＝役立たず」ってことでしょうか。

働く女性の対比として、役立たずのキャラを男性に当てはめたんだろうけど、この設定に納得がいかない人も少なからずいるだろうな。

 

魔法使いの味方になってくれる男性キャラが、一人くらいいても良かったと思う。

たとえば、シーフを男性にしたら、子供を引き取った男性の立場で描けたし、剣闘士を男性にしたら、これから結婚を控えた女性の味方の男性として描けたんじゃないかな。

凄く親身になって考えてくれる士官さんとかね。

 

 

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【伝説のお母さん】のあらすじと感想：まとめ

「良妻賢母」＝夫に対してはよい妻であり、子に対しては賢い母であること。

結婚して子供ができたら、女性は自分のために生きてはいけないのだろうか。

お母さんだって働きに出たいし、お友達と遊びに行きたいし、好きなことしたいんだよ！

 

似たような意味の男性版は「愛妻家」とか「イクメン」になるのかな。

なんか腑に落ちないというか納得がいかない。

なんか上から目線っぽい感じがする。

 

現在の子育て問題を、かねもとさんがわかりやすく面白く風刺しています。

RPGが好きな人なら楽しく読み進められると思います。

 

できれば、男女問わずたくさんの人に読んでもらいたい１冊。

ワンオペ真っ最中の人はツラくて読めないかもしれないけれど。

 

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