今回紹介するのは、小林俊彦先生の【青の島とねこ一匹】です。
とにかく絵が丁寧でキレイ。
風景はホントにキラキラしてるし、食べ物はどれも美味しそうだし、人物も猫も繊細で丁寧に描かれています。
日常の疲れた身体を癒してくれる、そんなマンガです。
ネタバレを含みますのでご了承ください。
【青の島とねこ一匹】のあらすじ
中村草太(なかむらそうた)が教師として赴任してきたのは、瀬戸内海の小さな島「凪島」(なぎしま)
大学時代の先輩の家に下宿しようと思っていたのに、そこには先輩はおらず、先輩の娘・女子高生の青(あお)が猫のミケと暮らしていた。
女子高生と同居することに戸惑う草太だけど、青の手料理に胃袋を掴まれ、一緒に生活することに。
【青の島とねこ一匹】の魅力4つ
- 青の手料理がどれも美味しそう
- ミケがカワイイ
- 逃げたいくらいしんどかったら逃げてもいい
- 島で暮らしたくなる。
青ちゃんの手料理がどれも美味しそう
青はとっても料理上手。
島のお年寄りからもらった食材で、美味しい料理を作ります。
それがどれも美味しそうで食べてみたくなるのです。
草太のために初めて作った料理はシャコ。
シャコを食べたことがない草太に、殻の向き方を教えます。
島の人はおやつにシャコを食べるんだって。なんて贅沢な!!
アジをさばいて作るアジフライや豆腐とワカメの味噌汁、サバの塩焼きに魚のアラ煮。
どれもこれもホントに美味しそうに描かれています。
作り方や味付けが簡単に書かれている料理もあり、味が想像しやすいのも魅力の一つです。
ミケがカワイイ
ミケは三毛猫のオス。
三毛猫のオスは3万匹に1匹の割合でしか生まれず何百万円価値もあるけど、青にとっては
「ミケはミケじゃけぇ。何百万でも何百円でも関係ない」
私も猫を飼っていたことがあるのでわかるのですが、愛猫は他のどのものの代わりにはならないのですよね。
ミケは普通の猫よりも少し大きく、人の言葉がわかるのか、話しかけると返事をしたり、道案内をしてくれたり、迎えにも来てくれるデキる猫。
でも、ちゃんと猫らしい描写もあって、それがホントに可愛いのです。
島に行ってミケに会ってみたいなぁ。
逃げたいくらいしんどかったら逃げてもいい
夏祭りの夜、満天の星空を見ていた草太と青。
青に「草太君はなんでこの島に来たん?」って聞かれた草太は
「逃げてきたんだ。情けないけど・・・」
って答えます。
そんな草太に青は
「逃げてもええじゃん。逃げたいくらいしんどかったんじゃろ?
じゃったら、逃げてもええに決まっとる」
その言葉と青の優しい表情、満天の星空を見た草太は
「うん・・・僕はココで取り戻そう」
って思うのです。
この段階では、草太がなぜ島に来たのか、何を取り戻そうとしてるのかは明らかになってないのですが、草太の先輩で青の父でもある雷太(らいた)に
「女にフラれて逃げてきたんだって!?」
って暴露されちゃいます。
「男と女の問題は、地球くらい重いんだぞ。逃げてもイイんだよ。
恥じる事なんかないっ!次だ次っ!!」
そんな先輩の言葉に
『先輩は、僕がぐじぐじ気に病んでる事を、簡単に笑い飛ばす。かなわないなあ・・・」
って思うのです。
草太は「逃げた」って言ってますが、東京から瀬戸内の島に移住するのって、もの凄い決断がいるし勇気も必要だと思うのです。
そう考えると「逃げる」ってホントに凄いことで、胸を張ってもイイことなんじゃないかなぁって思えてきます。
長い人生、少しくらい寄り道しても休んでもイイのですよね。
草太が島に永住しながら、たまに笑顔で東京に戻れるようになったらイイなぁって思います。
島で暮らしたくなる。
山と海に囲まれ、赴任先の高校には船で通う。
島民はみんな顔見知りで、海で獲れた魚や畑で穫れた野菜をおすそ分けしてくれます。
夏祭りに亥の子祭り、餅つき大会、近所の子供たちとBBQ。
特に描写はされてないのに、山に住む虫や鳥の声、海の波の音、そんな自然の音が聞こえてくるのです。
島での生活は不自由なことも多いだろうけど、とにかくみんな楽しそう。
ここに住んだら、疲れも吹っ飛んで心身ともに癒されそうです。
特に猫好きの私には凪島が天国に見えます。
凪島は架空の島だけど、いつか瀬戸内の島に行ってみたいなぁ。
【青の島とねこ一匹】のまとめ:疲れた時に読むのがピッタリのマンガ
とにかく絵が丁寧でキレイ。
虫や鳥の声、波の音、土の匂い、潮の香、料理の匂いと味。
普通にマンガを読んでるだけで、五感が優しく刺激されます。
そして時間が静かに流れていく感じが、疲れた時に読むのがピッタリのマンガです。
逃げたいくらいしんどかったら逃げてもイイのですよ。
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