今回紹介するのは、都戸 利津さんの【噓解きレトリック】10巻・完結です。
ダメ人間の探偵・祝 左右馬(いわいそうま)と、「人のウソが聞こえる能力」を持つ少女・浦部 鹿乃子(うらべかのこ)。
昭和初年、九十九夜町を舞台に、左右馬と鹿乃子の謎解きが繰り広げられるミステリー漫画。
もしアナタに「人のウソが聞こえる能力」があったらどうしますか?
【噓解きレトリック】のあらすじ
- 鹿乃子と左右馬の出会い
- 松葉牡丹の君
- 藤島 千代 誘拐事件
- 幽霊屋敷 殺人事件
- 少女探偵団
- 花見弁当事件
鹿乃子と左右馬の出会い
「人のウソが聞こえる能力」を持つ鹿乃子は、その能力のせいで周りの人から疎まれていた。
これ以上、家族に迷惑をかけられないと思った鹿乃子は、この能力を隠して誰も知らない土地で暮らそうと、生まれ故郷の村を出ることにした。
昭和初年、九十九夜町。
空腹で行き倒れていた鹿乃子は、貧乏探偵の左右馬と刑事の端崎 馨(はなさき かおる)に助けられる。
気味悪がられないように、ウソがわかることを隠そうとする鹿乃子だったが、左右馬行きつけの食事処の息子・たろのウソを聞き、「ウソついちゃダメ!!」とたろを𠮟りつける。
次の日の朝、たろが行方不明になり、自分が叱ったのが原因かもと思った鹿乃子。
たろが稲荷にいると推理した左右馬は、そこで会った男に「この辺で子供見ませんでしたか?」と声をかける。
男の「知らないねぇ」の言葉がウソだと気づいた鹿乃子。
鹿乃子は左右馬に「ウソが聞こえるんです」「「知らない」なんてウソだ!!」と告げる。
そして、鹿乃子の能力と左右馬の推理力を活かし、無事たろを助け出す。
左右馬に「ウソが聞こえる能力」を知られてしまい、また1人で生きていこうと思う鹿乃子。
けれど左右馬に「君、ウチで働きなさい」「たくさんの人の力になれる」と言われ、誰かのために力を活かすため、祝探偵事務所で助手として働くことに。
松葉牡丹の君
馨が探偵事務所にやってきた。
馨は左右馬に雑誌に載っていた写真を見せ「松葉牡丹の君(まつばぼたんのきみ)じゃないか?」と尋ねた。
左右馬と馨が草むしりをしていたときに馨の具合が悪くなり、その場を離れた左右馬と入れ違いに、意識がもうろうとしていた馨を介抱してくれた女性がいた。
その女性の半襟に松葉牡丹の模様が描かれていたため、馨は「松葉牡丹の君」と呼び探していたのだ。
写真を見た左右馬は「全然違うぞ」と答えた。
その答えがウソだとわかった鹿乃子だったが、左右馬がなぜウソをついたのか聞けずにいた。
写真の人が松葉牡丹の君なのか、また、左右馬がウソをついた理由を探るため、鹿乃子は松葉牡丹の君に会いに行く。
松葉牡丹の君を見つけた鹿乃子は、真相を聞こうとする。
けれど、左右馬のウソに気づかなかったふりをして馨に松葉牡丹のことを報告をすることは、「ウソが聞こえることを隠してる時と何も変わらない」のではと思いとどまる。
「ウソが聞こえるの能力」にちゃんと向き合ってくれた左右馬に誠実でありたい。
そう思った鹿乃子は左右馬に「どうして「違う」ってウソついたんですか」と尋ねる。
するとそこへ、凄い剣幕で「あいつだー!」とお巡りさんを連れた古道具屋の主人がやってくる。
藤島 千代 誘拐事件
大家から使いを頼まれた鹿乃子と左右馬は、隣町にある藤島家へと向かう。
そこで藤島家の娘・藤島 千代(ふじしま ちよ)と出会う。
千代はちょうど観劇に行くところで、耕吉(こうきち)が運転する車で出かけて行った。
元気で快活な千代が、すぐ近くの劇場へ行くのに車を使うことを不審に思った左右馬は、藤島夫人に「何か困り事ですか?」と尋ねる。
そこで藤島家の主人宛てに脅迫文が届いていること、人相の悪い男が家の様子をうかがっていたことを知る。
するとそのとき「娘は預かった」という手紙と共にケガをした耕吉がやってくる。
耕吉は、「お嬢様が何者かに連れ去られてしまいました」と言ったが、それがウソだと鹿乃子が気づく。
ウソを聞き分ける鹿乃子と、ウソか本当かはっきりとわかるように誘導尋問する左右馬。
その結果、千代が劇場にいることが判明。
耕吉はなぜウソをついたのか。この事件の真相は何なのか・・・
幽霊屋敷 殺人事件
食事処「くら田」の女将のお使いで病院を訪れた鹿乃子と左右馬。
人が賑わっている病室を覗くと、そこには入院患者の男と口論をしているカフェ「ローズ」の女給・リリーがいた。
2人が探偵だと知った男は、自分の証言がウソじゃないと証明して欲しいと依頼する。
男の名前は桐野貫二(きりの かんじ)
一昨日の夜、待ち合わせていた映画館で貫二が来るのを待っていたリリーの元に、一人の女が現れた。
その女は、リリーの似顔絵を見せ「これあなたよね?この絵を描いたお兄さんって、どこの何て方?」と尋ねた。
リリーの似顔絵は、絵描きである貫二が描いたものだ。
女は、似顔絵と映画の券を頼りに「夕べいい仲になった彼」を探しているようだった。
貫二は「そんな女は知らない」と言う。
貫二が待ち合わせに現れなかったのは、とある空き家の前を通りかかったときに女の幽霊を見て逃げて車にはねられたからだ。
似顔絵と映画の券は、その時に落としたのだろうと貫二は言う。
リリーも貫二もウソはついていない。
しかし鹿乃子は、リリーが去り際に「恋人ごっこも飽きちまったよ。私があんたなんか本気にするはずないじゃないか」と言ったウソを聞き逃さなかった。
「俺なんかがリリーみたいな人気の女給に、まともに相手してもらえる訳ないよなぁ」と悲しむ貫二。
そんな2人のためにできることはないかと思った鹿乃子は、謎の女が何者か明かしてリリーの誤解を解くことを提案する。
真相を確かめるため、幽霊が出たという空き家に向かった鹿乃子と左右馬。
その空き家は、10年前に未解決の殺人事件が起きた場所だった。
少女探偵団
鹿乃子と千代は、出会い頭でぶつかった男が落としたかもしれない手鏡を拾う。
左右馬の「左腕に漆喰が付いていた」と言う言葉を頼りに落とし主を探す鹿乃子と千代。
利市(りいち)という名前と住んでいる場所を突き止めた2人は、手鏡を届けに行く。
手鏡を見た利市は「お母ちゃんの形見なんだ」とウソをつく。
利市と別れお茶屋で食事をしていると、「若い男にひったくりにあって手鏡を盗まれた」と女性が話しているのを耳にする。
利市のウソを聞いていた鹿乃子は、利市がひったくりだと確信し、再び利市の元へ向かう。
その道中、懐に手鏡を入れている幼女と出会う。
千代が「ちょっと見せてくださる?」と言うと、幼女は「お母しゃんの鑑だもん!!大事にしろってお兄たんゆったもん!!」と言って、見せるのを拒んだ。
幼女の「お母しゃんの鑑」「お兄たん」の言葉が引っ掛かった鹿乃子。
するとそこへ利市が現れる。
花見弁当事件
たろに呼ばれ、左右馬と鹿乃子が「くら田」を訪れると、くら田の主人・達造(たつぞう)と八百屋の主人・六平(ろくへい)が口論していた。
どうやら、花見弁当の注文の数が合わず、多く作りすぎてしまったらしい。
達造は23折注文があったと言い、六平は13折注文したと言う。
注文を受けたときの話を双方から聞く左右馬と鹿乃子。
しかし2人ともウソはついておらず、メモ用紙にも「廿三折」と記されていた。
注文を受けたときにそばにいた女将さんは、「六平が十三折と書いたのを見た」と言ったが、その言葉もウソではなかった。
「力が消えたかも」と言う鹿乃子に、左右馬は「僕は今、大金を持っています」とウソをつく。
ウソをついてないのがわからないことが不安で怖いと思った鹿乃子。
わからないのに何を信じて何を疑うのかどうやって判断するのか、みんなはこんな不安な中で生きてるのかと疑問に思う。
【噓解きレトリック】の感想
- 左右馬がカッコイイ
- 鹿乃子がカワイイ
- 鹿乃子の能力について
- 名コンビ
- ウソにもいろんな種類がある
左右馬がカッコイイ
聡明なのにそれを隠してチャランポランに振舞ってる人、大好物です。
ダメ人間の左右馬だけど友達想いだし、鹿乃子にちゃんと居場所を与えてくれる凄く優しい人。
ヒーローとして百点満点です。
ホントはひとりでも事件を解決できる推理力を持つ左右馬だけど、「ウソが聞こえるなんて、探偵として素晴らしく便利じゃないか」と言って鹿乃子を探偵助手に誘います。
鹿乃子の能力に興味を持ったのはホントなんだろうけど、絶対にそれだけじゃないですよね。
鹿乃子がこの能力のせいで今まで辛い思いをしていたことを察したからなのだと思う。
そして、鹿乃子が真っすぐで正義感が強くて危なっかしい性格だということも。
鹿乃子がカワイイ
世の中、ウソをつかない人間なんていないから、ウソがわかっちゃうのって辛いだろうなぁ。って思う。
それなのにこんなに真っすぐに育った鹿乃子ちゃん。
カワイイし正義感も強いし、とても良いキャラクターです。
自分に自信が持てなかった鹿乃子が、左右馬や九十九夜町で出会った人たちのおかげで、ゆっくりではあるけれど、人のウソが聞こえる能力を前向きに考えるようになっていく姿も見どころのひとつ!
鹿乃子の能力について
- 文字のウソはわからない。
- ウソが書かれた紙を破いてもわからない
- 視覚は関係せず、人の声のみ判別できる
- 未知の物への真偽は問えない
- 隠れた事実がわかるのではなく、発言する人のウソの意識がわかる
- 思い込みや勘違いでも、その人がウソだと思ってないことはウソに聞こえない
このマンガを読むにあたって、とても重要なのだけど、いっぺんに覚えようと思っても覚えきれないので、おいおい覚えていくことにしましょう。(苦笑)
名コンビ
ウソを聞き分ける鹿乃子と左右馬の観察眼で難事件を解決していく2人は、まさに名コンビ。
たまに、鹿乃子の能力を利用した左右馬がわざとウソを言って、鹿乃子を混乱させることもあります。
でもそれは、鹿乃子がどう動くのかわかってる左右馬だからできること。
そして鹿乃子は、左右馬のおかげで「ウソが聞こえる能力」が人の役に立つことを知り、自分の自信に繋げていくのです。
ウソにもいろんな種類がある
悪意、見栄、気遣い、秘密。
ウソにはいろんな種類があります。
その違いが分からなければ、ウソをあばくことで人を傷つけてしまうかもしれないと思い悩む鹿乃子に、
「ウソがわかる君に見えないものがあるんなら、ウソがわからない僕には、それが見えるんじゃない?だから一緒にいればいいんだよ」
と言う左右馬(2巻・8話)
普通の人ならその時の状況で「いいウソ」なのか「悪いウソ」なのかの判断が、何となくつきます。
けれど、生まれつきウソが聞き分けられた鹿乃子は、「ウソをついた事実」だけがこびりついてしまうのだなぁ。
そして、ウソには種類があることを知った鹿乃子は、「「悪いウソ」ならあばくべきなのではないか」と、左右馬に問います。(3巻・12話)
このときの左右馬の答えが実に深い!
深すぎて一度読んだだけでは上手く呑み込めなかった自分の頭脳の低さよ・・・(汗)
鹿乃子にイラつく?
【噓解きレトリック】の感想やレビューに「鹿乃子にイラつく」という感想が目につきました。
ここで、鹿乃子にイラつく理由を考えてみました。
鹿乃子にイラつく理由1:何も考えずに行動してしまうから
「もう少し慎重に行動すればいいのに」という感想があったけれど、人のウソを放っておけないのは正義感が強いから。
「ウソをついた」ことがわかっても対処法がわからないので、猪突猛進になってしまうのですよね。
鹿乃子にイラつく理由2:ぐるぐる悩んでるから
鹿乃子がいつまでも自分に自信が持てず、いつも同じようなことでぐるぐる悩んでいることにいらつく読者がいるようです。
鹿乃子はまだ成長途中なのです。
温かく見守るのもこの物語の醍醐味なのではないでしょうか。
【噓解きレトリック】のドラマ化
【噓解きレトリック】は、2024年10月から「月9」枠でテレビドラマ化されます。
祝 左右馬を鈴鹿 央士さん、浦部 鹿乃子を松本 穂香さんが演じます。
鹿乃子が聞こえる「人が嘘をついたときの声」がドラマでどう表現されるのか、凄く興味がありますよね。
他にも、漫画とドラマの違いを確認したり、漫画を読んで感動したシーンが、ドラマではどう表現されているのか。
また、ドラマで気になったシーンを漫画でじっくり反芻してみたり。
漫画とドラマのどちらも楽しむことで、改めて作品の良さを実感することができます。
【噓解きレトリック】のあらすじと感想:まとめ
探偵モノって謎解きが難しくて読むのについていけなくなることもあるのだけど、【噓解きレトリック】は、簡単でわかりやすく読後感がスッキリです。
また、背景から小道具、衣装まで丁寧に描かれていて、この世界の住民になりたくなってしまいます。
そして事件を解決していくうちに、鹿乃子に「人のウソが聞こえる能力」があることを気づいた人物が現れたり、ある事件と左右馬の生い立ちが関係してたりと、物語の深層部分に迫っていきます。
【噓解きレトリック】は、ただのミステリー漫画ではなく、鹿乃子の成長や左右馬との関わり合いなど、ヒューマンドラマとしても見どころがあります。
アナタも、左右馬と鹿乃子と一緒に、事件を解決してみませんか?
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